第六場 暗転幕上がる
ーーーー地蔵院境内、花御堂がまつってある。一同、圭子赤ちゃんを抱いている。
母、花御堂へ参って甘茶をかけ、
「まあ、可愛い」
婆さん 「今日は花まつりでしたんやなあ、ええ日ですがな」
住職 「さあ、皆、寄って寄って」
−−−−花御堂を中に写真のポーズ。
信一、三脚のカメラのセルフ・タイマーを押して急いで並ぶ。
「チーズ」フラッシュ光る。
住職 「やあ、どうもどうも、良かったですねえ」
「いい記念になります」
「ほんとに」
住職 「信一君、仕事の方はどうかね」
信一 「はい、おじゅっさんのおかげです。社長や皆さんに可愛がってもろてます」
圭子 「この人、今度、資格試験を受けますねん」
住職 「そうか、頑張ってるんやなあ」−−−信一照れる。
住職 「中村さん、どないしました?」
婆さん 「わたい、もう胸がいっぱいであきまへん。家族てほんまにええもんだすなあ」
ーーーー婆さん、涙をごまかしてアバアバと赤ちゃんをあやす。
住職 「じゃあ、どうぞ、書院の方へお上がりください。式の詳しい打ち合わせをしましょうか。
仏前結婚式はいいもんですよ。
お経もほん短くなってます。その方がいいでしょう。・・・・ハッハッハッハッ」
ーーーー一同にこやかに笑いながら、上手退場。黒子、花御堂と標柱を引っ込める。
第七場 ーーーー荘重で、壮麗な音楽。
ーーーー引き割り幕、開く。
マハーマーヤー、天女、聖衆。雪かごから金、銀の紙ふぶきを散らす。
マーヤー夫人、ゆるやかに歩を進める。
赤ちゃんの釈尊、裸で夫人の背後から前へ走り出て、天地を指差す。
その、歩んだ後に七つの蓮の花が開く。
釈尊、母マーヤーのもとへ歩み寄り、抱き上げられる。音楽高まり、溶暗。
演者全員登場。
ナレーター 「それでは皆さん、合掌をお願いいたします。
この尊いみ教えを説き明かして下さったお釈迦様のみ名をお唱えいたします。
ーーーなむほんししゃかむにぶつ
    南無本師釈迦牟尼仏
    南無本師釈迦牟尼仏
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